2014年1月7日火曜日

アイリッシュ ホワイトソーダブレッド

料理を少しずつするようになってからも、パンを作ることは自分にはハードルが高いと思っていました。イーストやら発酵やらどうも手がかかりそうだからです。今でもまだそう感じます。

パンや菓子作りは『厳密な科学』だと教わったことがあります。材料の計量や温度など決められた通りに守らないと出来上がりが変わってしまう。加えて、天気や部屋の温度など作る影響も無視できない。作るたびに何かが少しずつ違う。

僕の中で『パンを作る』ことは他の料理とはちょっと違う緊張感を持った作業です。
一度間違うと元に戻すのは難しく、それが他の料理よりもシビアに結果に響いてくるからです。

そんな自分にとって、発酵も捏ねる作業もいらないソーダブレッドは気軽に作れるパンの一つです。

重曹のことを英語でbaking sodaと言います。その重曹を使ったパンだからソーダブレッド。
ヨーロッパでパンを作るのに重曹が使われるようになったのは19世紀の始め頃のようですが、
その中でもアイルランドのソーダブレッドが有名です。食料事情が貧しかった当時のアイルランドでは強力粉ではなく薄力粉で作れるパンの製法が庶民のニーズに合っていたのです。

今の時代ではソーダブレッドが貧しさという文脈で語られることはあまりなく、純粋にその素朴さを楽しむためのパンだと僕は思います。単純にバターやジャムをつけて食べても、あるいはスープと一緒に食べても合います。イースト菌を使ったパンとは違った趣きをぜひ味わってみてください。


★アイリッシュ ホワイトソーダブレッド



★材料(2~4人分)
薄力粉 230g
重曹 小さじすりきり1杯の半分
塩 小さじすりきり1杯
牛乳 175-200ml
レモン汁 大さじ1杯 ※牛乳と混ぜます

今回は全て薄力粉を使うホワイトソーダブレッドを紹介します。料理学校で習ったやり方をベースに材料の分量などを少し変えています。全粒粉を使ったブラウンソーダブレッドも同じ作り方です。上記、薄力粉の量の半分を全粒粉に代えてください。


1,薄力粉、重曹、塩をふるいにかけてボールに入れます。軽く混ぜつつ、周囲に土手を作り真ん中にくぼみを作ります。




2,くぼみに牛乳+レモン汁を入れます。<ポイント!>液体は一気に全て入れるのではなくこの段階では20~30mlくらい残しておいてください。ここで水分を多く入れ過ぎるとベタついて生地が扱いにくくなります。(僕はここで何度も失敗しています。。。)



3,手の指を熊手のような形にして、円を描くように軽く混ぜ始めます。捏ねたりする必要もありません。生地をまとめるだけです。


4、もし粉の部分が残る場合はほんの少しだけ残った牛乳を入れます。ちょっとでも多いと生地が水っぽくなってしまうので、飽くまで少なめに加えてください。


5,小麦粉を軽くまぶした台の上に乗せます。ここで一度手を洗ってよく乾かします。


6,乾いた手で軽く生地の形を整えてから裏返します。その後は手の指で平らにしていきます。2.5cmの厚さになるように。



7,包丁で十字に切込みをいれます。


8,4つできた扇型にもそれぞれ軽く包丁を入れます。これは『妖精を外に逃がすため』とアイルランドで教わりました。パンの中に妖精が住んでいるようです。



9,180度のオーブンで30~35分程焼きます。焼き上がりの確認はパンの裏を指で軽く叩きます。『ボコッ』と中に空洞があるような音が聞こえたら焼き上がり。すこし不安な場合は、パンを裏返して数分焼いてください。




★ポイント
アイルランドやイギリスで作るときにはバターミルク(クリームからバターを作った際に残ったもの)を使いますが、日本では手に入りにくいので牛乳にレモン汁を混ぜたものを使用します。重曹を酸性のバターミルクで反応させて生地を膨らませるので、レモン汁でも同じ原理です。他のパンと違って手早さ重視です。時間をかけず、粉を混ぜてからオーブンに入れるまで10分以内の作業です。全粒粉を使う場合はふるいにかける必要はありません。


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